腎臓病治療をしっかり行い腎不全を回避!

腎不全の症状は?

腎不全は、急性腎臓病で発症するタイプと慢性腎臓病で発症するタイプとがありますが、一般に腎不全と呼ぶケースは、慢性腎臓病で発症するタイプの腎不全を指します。慢性腎臓病とは、蛋白尿や血尿などに代表される尿の異常や腎臓の病変が見られる、さらには腎機能が著しく低下した状態が少なくとも3か月以上継続したケースを指します。

腎不全は、慢性腎臓病の中でも末期的な疾患であると一般的には認識され、治療も非常に困難な場合が多く、既存の腎機能に頼るのではなく、いわゆる人工透析治療などを行うことがあります。腎不全で見られる典型的な症状は、むくみ、高血圧、胸に水がたまる肺水腫などです。

また、身体に酸がたまるアシドーシス、さらには腎臓病の多くで見られる高カリウム血症や高リン血症、重篤化した際には排泄器能障害の尿毒症、尿毒症による食欲低下、不快感、意識障害、貧血など、そして低カルシウム血症、骨量や骨密度の低下などが見られます。

場合によっては、これらがまとめて起こるのが腎不全の怖いところです。特に、骨に異常が見られると、動くに動けなくなってしまう厳しさがあります。また、尿毒症ではことばで表現する以上に強い不快感を伴います。

腎機能の低下とこれに伴う症状

腎不全は、特に慢性腎臓病の典型的症状ではありますが、どのくらい腎機能が低下したときを腎不全と呼ぶのかという明確な定義はありません。広義でいえば、1%でも腎機能が低下していれば、1%の腎不全が起こっているということにもなります。

しかし1%の腎機能低下であれば、たとえ腎不全であったとしても、明確な症状として不調や不快を自覚することはありません。1%どころか、30~40%くらいまでは機能低下による自覚症状が現れないとされるのが腎不全です。これは非常に怖いことです。

ただし、蛋白尿や血尿、高血圧などの症状がみられることもありますので、これらの異常が見られたら、直ちに専門医に相談したほうがよいといえます。

30~60%程度まで腎機能が低下すると、むくみとクレアチニン値の上昇がみられます。この状況の腎不全では、すでに治療がスタートしていなければならず、腎不全進行抑制治療が施されるべき段階です。

腎機能が15~30%程度になると、上記異常に加え、異常なレベルで疲れやすくなります。その原因は貧血やカルシウム低下にあります。このあたりからは、徐々に人工透析の知識を得る段階といえます。また、腎不全による合併症の抑制治療をスタートする必要があります。

腎機能が15%を下回ると、これは末期腎不全と呼ばれる危機的状況で、すぐにでも人工透析の準備が必要になる段階です。