腎臓病治療をしっかり行い腎不全を回避!

腎臓病とは

腎臓病にはいろいろな種類がありますが、その総称を腎臓病と呼びます。ですから、腎臓病という特定の疾患があるわけではありません。たとえば肺がんや胃がん、白血病や脳腫瘍などをすべてひとまとまりにしてがんと呼ぶのと同じく、腎臓病にも異なる病態の疾患があります。

ただ、腎臓病の場合そのほとんどが、尿をつくる糸球体の異常によって起こります。そして、腎臓病の治療を怠ることによって、将来的には腎不全という腎機能を著しく損なってしまう状況に至ります。腎不全が進行し、末期的な腎機能低下に至ると、人工透析や腎臓移植の必要が生じます。そうならないために、できるだけ早い段階で腎臓病の治療を行うことが大切です。

腎臓病や腎不全の原因となる糸球体の異常は、原発性の糸球体腎炎と、膠原病をはじめとするさまざまな病気が原因で起こる続発性の糸球体腎炎とがあります。これらを総称して腎炎と呼びます。腎炎は、腎臓病の中でも最も多い疾患です。

糸球体腎炎とは異なるメカニズムで起こるのが、糖尿病性腎症です。糖尿病性腎症は、病名のとおり糖尿病がきっかけとなって腎機能が著しく低下するタイプの疾患です。それだけに、腎臓病の治療の一環として、糖尿病の治療が重要な意味を持ってきます。

腎臓病で見られる症状は?

腎臓病の場合、症状が悪化して腎不全が進行してからでないと、なかなか自覚症状が現れないという難しさがあります。初期的な腎臓病であれば、治療の方法も十分に確立されていますが、腎不全が進行してしまうと、何とか現状維持を目指すための治療になってしまうため、治療の効果を実感できないというのも重篤な腎臓病のつらいところです。

初期~中期段階における腎不全の自覚症状は確かに、まったくない、もしくはごく軽微な症状になりますが、血液検査や尿検査を実施することで、その検査結果に比較的はっきりとした異常が見られることで、腎臓病の有無を判別することができます。

たとえば、血液検査であればCREで表記されるクレアチニン値の上昇で、尿検査であれば蛋白尿の高レベル検出や血尿の検出などから腎臓病の疑いがかかります。

末期的な腎不全になると現状維持が精一杯の治療になりますが、初期的段階での腎臓病であれば、治療も十分可能ですから、早目の治療がとにかく重要であると認識すべきです。治療を怠り、重篤な腎不全や人工透析に移行してしまうことだけは避けるように努めていただきたいと思います。